障害者へのセックスボランティアと性道徳観のゆらぎ
〜全障研道支部オランダツアーで触発されたことと“未来予想図 ”〜
(1)なぜ障害者の性に関心を持ったか
- 一つは、ソープランドで有名なある観光地で集会が行われたとき、参加していた車いすの障害者が、ソープに連れていってほしいと強くリクエストしていたこと。
もう一つは、脳性麻痺のためほとんど動くことのできない佐藤さんの“懺悔”。それは、女性ボランティアにマスターベーションを手伝ってもらったが、よくないことだったというもの。
(2)ところが、“性”にはカベがある
- そして、先の障害者のソープ行きは実現した。入り口でソープ嬢は、プロ意識に満ちあふれてた表情で、なんとかします、私にまかせなさいと胸をたたいた。
しかし、私が属している“世間”において、これは実にけしからんことなのだ。ソープとは売春だ。性の商品化だ。社会矛盾によってこのような職業にはからずも身も落としている女性もいるのだ。このような問題を解決する立場にたたないで、あろうことかそれを活用するとはなにごとか、というわけだ。そのほか、これが退廃文化の影響なのだ、女性差別なのだ、不道徳なのだといった非難の言葉が投げつけられる。
(3)だから“セックスボランティア”なのだ
- これまで、私たちは、“セックス=不潔”論に随分と長い間つき合ってきた。愛がないセックスについては許されていない。よって愛し合ってパートナーが得られない者は欲求の塊と格闘することになる。実に消耗ないことだ。
オランダでは、SARという団体が、セックスボランティア活動を行っている。
SARのサービスも活用している知的障害者の施設に勤めるイネカさんは、私の、道徳観に抵触しないか、という質問に対して、「プレイとしてのセックスもあるでしョ」とこともなげに答えた。道徳よりも欲求不満を的確に、適正に解消することの方がはるかに大切なことなんだとの認識だ。
(4)セックスボランティアのディティール 〜それは、私たちの未来かもしれない〜
- 1.日本でセックスボランティアという言葉で紹介されてもかまわない。まさにそのとおりのことだ。
2.サービス提供者は、対男性12人、対女性2人、ゲイ2人。
3.利用料金は1時間半で150ギルダー(交通費込み・1ギルダーは60〜70円くらい)。
4.内容としては、自慰行為の手伝い、性交。オーラルセックス、前戯の工夫などもある。アナルセックスは、断わられることもある。
5.前戯の工夫とは、障害に対応して、脱がせやすい衣服を着けてくるとか・・。
6.25程度の自治体で、利用者に援助金を出している。ちなみに取材先のヘイロー市のアッドさんは月2回分(300ギルダー)の援助をもらっている。
7.ローマから飛行機で来た人、ドイツから来た人など外国からの利用者もいる。ベルギーには支部もできるかもしれない。
8.知的障害者の施設でもマスターベーションなどの対応で活用している。職員よりも外部からくる人の方が良い。
(5)知的障害者の性教育
- 欲求不満の正体を知ることが肝要。だから、ゲイの傾向を持っているなら、どうすればそのような相手と遭遇できるかを考える。また、安全にプレイするためにコンドームの装着の仕方などを教える。体位とペニスの位置関係などもスライドを使って教える。オナニーの仕方もスライドなどを使って教える。
(6)おわりに
- どうすれば、だれもが性の歓びを得ることができるのかそのシステムを考える建設性こそ問われている。障害によっては、勃起不能の場合がある。だからといって、恋愛や結婚ができないということではない。愛の形も広くゆるやかであるべきだ。
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- (文責/inter-c 編集部)
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